仮想通貨の税金の件

皆さんこんにちは!税理士いのちゃんねるの井下です(^^)/

本日は皆さん気になる?仮想通貨の税金の件というテーマをお話しします♪

※視聴者の大半が個人だと思うので所得税を想定しています。法人(法人税)は別途ご相談ください。

仮想通貨という比較的最近できたものについて、僕も若手税理士という立場から動向を注視していました。

実際にまだ国税庁が2017年9月にタックスアンサー(国税庁の見解)を出す前から税務署いくつかに何所得にあたるか問い合わせをしたり、
タックスアンサーがでてすぐに会計事務所のブログに解説の記事を書いてました。
http://www.inoshitacpa.com/posts/post1.html
(一部情報が古い点、ご留意ください。)

今日は仮想通貨の評価単価と巷話題の5%ルールについてお話しします!

売却時の原価はどうする??

平成31年度税制改正で仮想通貨に関することがある程度明文化されました。

ちなみに施行令とは法律の下にある政令を指します。

第百十九条の二 法第四十八条の二第一項(仮想通貨の譲渡原価等の計算及びその評価の方法)の規定によるその年十二月三十一日(同項の居住者が年の中途において死亡し、又は出国をした場合には、その死亡又は出国の時。第二号において同じ。)において有する同項に規定する仮想通貨(以下この項において「期末仮想通貨」という。)の評価額の計算上選定をすることができる評価の方法は、期末仮想通貨につき次に掲げる方法のうちいずれかの方法によつてその取得価額を算出し、その算出した取得価額をもつて当該期末仮想通貨の評価額とする方法とする。

一 総平均法(仮想通貨(法第四十八条の二第一項に規定する仮想通貨をいう。以下この款において同じ。)をその種類の異なるごとに区別し、その種類の同じものについて、その年一月一日において有していた種類を同じくする仮想通貨の取得価額の総額とその年中に取得をした種類を同じくする仮想通貨の取得価額の総額との合計額をこれらの仮想通貨の総数量で除して計算した価額をその一単位当たりの取得価額とする方法をいう。)
二 移動平均法(仮想通貨をその種類の異なるごとに区別し、その種類の同じものについて、当初の一単位当たりの取得価額が、再び種類を同じくする仮想通貨の取得をした場合にはその取得の時において有する当該仮想通貨とその取得をした仮想通貨との数量及び取得価額を基礎として算出した平均単価によつて改定されたものとみなし、以後種類を同じくする仮想通貨の取得をする都度同様の方法により一単位当たりの取得価額が改定されたものとみなし、その年十二月三十一日から最も近い日において改定されたものとみなされた一単位当たりの取得価額をその一単位当たりの取得価額とする方法をいう。)
例題として、1年間でこういう取引をしたとします。
 
①1BTC=120万円で購入
②1BTC=70万円で購入
③1BTC=130万円で売却
④1BTC=110万円で購入
 
この場合、売却時の単価はどうなるのでしょうか??
 
1、総平均法⇒その名の通り、1期間全部を平均する方法です。
①+②+④=3BTCを300万円で購入したから1BTC=100万円
③-100万円=利益は30万円となります。
 
2、移動平均法⇒購入の都度、平均単価を算定する方法です。
③の売却前に①+②=2BTCを190万円で購入したから1BTC=95万円
③-95万円=利益は35万円となります。
 
仮想通貨の購入単価は上記のいずれかの方法が認められています。

所得税法施行令第百十九条の三 仮想通貨の評価の方法は、その種類ごとに選定しなければならない。

⇒これは説明不要ですよね笑
株の銘柄と一緒で全部ごっちゃにしたら訳が分からなくなるのでそれはちゃんとわけましょう。

2 居住者は、仮想通貨の取得をした場合(その取得をした日の属する年の前年以前においてその仮想通貨と種類を同じくする仮想通貨につきこの項の規定による届出をすべき場合を除く。)には、同日の属する年分の所得税に係る確定申告期限までに、その仮想通貨と種類を同じくする仮想通貨につき、前条第一項に規定する評価の方法のうちそのよるべき方法を書面により納税地の所轄税務署長に届け出なければならない。

どっちで計算するか届け出をしてください!という規定です。

でもわざわざ書類出すのめんどくさいですよね。。。

そこでこんな規定ができました!

第百十九条の五 法第四十八条の二第一項(仮想通貨の譲渡原価等の計算及びその評価の方法)に規定する政令で定める方法は、第百十九条の二第一項第一号(仮想通貨の評価の方法)に掲げる総平均法により算出した取得価額による評価の方法とする。

⇒「総平均法」が法定評価方法になりました!

法定評価方法(みなし選定)とは??

「いくつか選択できるときに何も言ってこなければこれ、
こっちにしたいとのなら届出してね。」っていう決まりです。

要は総平均法でやる人は別に届出しなくていいってことになります(^^)/

5%ルールとは!?

基本通達48-2-4

仮想通貨を売買した場合における事業所得の金額または雑所得の金額の計算上、必要経費に算入する金額は、法第37条第1項及び第48条の2の規定に基づいて計算した金額となるのであるが、仮想通貨の売買による収入金額の100分の5に相当する金額を仮想通貨の取得価額として事業所得の金額または雑所得の金額を計算しているときは、これを認めて差し支えないものとする。

これが5%ルールってやつです。
簡単に言うと「売却時の原価を時価の5%(95%を利益)にしてもいいよ!」って国税庁が言っています。

これはめちゃくちゃデカいです。

どういう人にメリットがあるのか!?

何年も前からやってて20倍以上になっている人は若干ではあるけど減税になりますね♪

あとは原価がわからない人です。

今は国内の大手の取引所だと売買記録がダウンロードできて情報の取得ができますけど、
海外の取引所含めていろんなところで売買してる人とか昔からやってる人で
そもそもどこでいくらで買ったのか記録してないから取得価格の算定ができません!
っていう人が結構いると聞きます。

僕のお客さんではそういう人はいないんですけど、この通達で明確な基準ができたので税理士としては非常に助かります♪

まとめ

今日お話した内容っていうのは他でも書いてるので人によっては新しい情報がないかもしれません。

でも仮想通貨に限らずですが、「新しくこういう法律ができてこのように申告しましょう」「○○が○○に変更になりました。」

って書いている人ばかりなんですけど根拠は?何法何条ですか?って聞かれたら答えられる人ってほとんどいないですよね。

もちろん僕自身も税金オタクじゃないんで「所得税法施行令119条!」とかすぐ出てこないです。

でもこのことはこの辺に書いてあるなっていう調べ方とか
一般の人って法律そのまま見ても堅苦しくてわからないと思いますし
その辺りの読み方とかは慣れていると思います。

いくらでも情報がある現代でいい加減な情報を鵜呑みにせず、
本当に信頼できるのか情報の取捨選択をしてほしいなって思います(^^)/

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