こんにちは!税理士いのちゃんねるの井下です☆

本日は台風で被害を受けられた方向けの記事になります!

まず、台風で被害を受けられた方々に、心からお見舞い申し上げます。

国税庁HPより台風関連の情報が掲載されています。

台風の影響により被害を受けた皆様へ

台風の影響により被害を受けた場合には、以下のような申告・納税等に係る手続等がありますので、まずは最寄りの税務署へご相談ください。

1. 災害により申告・納税等をその期限までにできないとき(交通途絶等)は、所轄税務署長に申請し、その承認を受けることにより、その理由のやんだ日から2か月以内の範囲でその期限が延長されます。

2. 災害により、財産に相当な損失を受けた場合は、所轄税務署長に申請し、その承認を受けることにより、納税の猶予を受けることができます。

3. 災害によって、住宅や家財などに損害を受けたときは、確定申告で所得税法に定める雑損控除の方法(この雑損控除の損失額には豪雪による家屋の倒壊を防止するための屋根の雪下ろし費用も含まれます。)、災害減免法に定める税金の軽減免除による方法のどちらか有利な方法を選ぶことによって、所得税の全部又は一部を軽減することができます。
 また、給与等、公的年金等、報酬等から徴収される(又は徴収された)源泉所得税の徴収猶予や還付を受けることができます。

4. 災害により被害を受けた事業者が、当該被害を受けたことにより、災害等の生じた日の属する課税期間等について、簡易課税制度の適用を受けることが必要となった場合、又は適用を受けることの必要がなくなった場合には、所轄税務署長に申請しその承認を受けることにより、災害等の生じた日の属する課税期間から簡易課税制度の適用を受けること、又は適用をやめることができます(災害によって事務処理能力が低下したため、一般課税から簡易課税への変更が必要になった場合や、棚卸資産その他業務用の資産に相当な損害を受け、緊急な設備投資を行うため、簡易課税から一般課税への変更が必要になった場合などに適用されます)。

本日はこれについて解説していきます(^^♪

災害による申告、納付等の期限延長申請

1. 災害により申告・納税等をその期限までにできないとき(交通途絶等)は、所轄税務署長に申請し、その承認を受けることにより、その理由のやんだ日から2か月以内の範囲でその期限が延長されます。

国税通則法施行令第3条に記載されています♪

この申請は、災害その他やむを得ない理由により、申告、申請、請求、届出その他書類の提出、納付又は徴収に関する期限までにこれらの行為ができない場合に、申告、納付等の期限延長の指定を受けるための手続です!

近々では、10月末期限の申告や、毎月10日の源泉所得税の納付などがか挙げられます。

納税猶予

2. 災害により、財産に相当な損失を受けた場合は、所轄税務署長に申請し、その承認を受けることにより、納税の猶予を受けることができます。

こちらは国税庁のタックスアンサーNo.8002に記載されています♪

災害によって財産のおおむね20%以上損失を受けた場合、国税の納税猶予制度があります。

災害により損失を受けた日から1年以内に納付すべき国税について、
納付期限から1年以内の期間に限り、納税の猶予を受けることができます!

すでに期限を超えたものや、上記の猶予を受けても納税できなかったものについても、
別途申請することでもう一年納税を猶予してもらえます!!

減税

3. 災害によって、住宅や家財などに損害を受けたときは、確定申告で所得税法に定める雑損控除の方法(この雑損控除の損失額には豪雪による家屋の倒壊を防止するための屋根の雪下ろし費用も含まれます。)、災害減免法に定める税金の軽減免除による方法のどちらか有利な方法を選ぶことによって、所得税の全部又は一部を軽減することができます。
 また、給与等、公的年金等、報酬等から徴収される(又は徴収された)源泉所得税の徴収猶予や還付を受けることができます。

災害で住宅や家財などに損害を受けた場合は、雑損控除または災害減免法に定める所得税の軽減免除のいずれか有利な方法で所得税を軽減することができます!

どっちが有利なん!?

っていう話ですが、それぞれ適用要件や軽減される金額が違うため、
「場合による」というのが回答になります。
必要な方はご相談ください(^^♪

それぞれについて説明します♪

雑損控除

 災害又は盗難若しくは横領によって、資産について損害を受けた場合等に、
一定の金額の所得控除を受けること、を指します。

趣旨は簡単で、困難な状況にある人に対して
ルール通り税金払えというのはかわいそうだからです。

・雑損控除の控除額

下記のうちいずれか多い方の金額となります。

①差引損失額-総所得金額等×10%
②差引損失額のうち災害関連支出の金額-5万円

「差引損失額」=損害金額+災害等に関連したやむを得ない支出の金額-保険金などにより補てんされる金額

「災害等に関連したやむを得ない支出の金額」は、
主に災害により損害を受けた住宅や家財の取壊し・撤去費用のことを指します。

イマイチピンとこないと思うので、例を出して考えてみます♪

前提
総所得金額等400万円
損害金額100万円
災害関連支出30万円
保険金50万円

計算
差引損失額=100万円+30万円-50万円=80万円
雑損控除の控除額
①80万円-400万円×10%=40万円
②30万円-5万円=25万円
③40万円>25万円

上記より雑損控除は40万円になります(^^♪

その際、注意事項としまして、災害に関連する費用であることを証明するために、
確定申告書に領収書を添付する必要があります。

ですので、これから復旧作業で様々な費用が掛かるかと思いますが、
その領収書は必ず保存しておくようにご注意ください!

・災害減免法に定める所得税の軽減免除

上記の雑損控除とは別途災害減免法に所得税の軽減措置が規定されています。

下記の方が対象になります。

①災害にあった年の所得金額の合計が1,000万円以下
②災害によって受けた住宅や家財の損害金額(保険金などで補てんされる金額を除く)
 が時価の2分の1以上

軽減される金額は下記の通りです。

所得金額の合計額 軽減または免除される所得税の額
500万円以下 所得税の額の全額
500万円を超え750万円以下 所得税の額の2分の1
750万円を超え1,000万円以下 所得税の額の4分の1

上記の措置はいずれかしか適用できませんので、
どちらが得なのかは税理士と相談するなどして
くれぐれも損しないようにご注意ください!!

消費税の簡易課税の変更

4. 災害により被害を受けた事業者が、当該被害を受けたことにより、災害等の生じた日の属する課税期間等について、簡易課税制度の適用を受けることが必要となった場合、又は適用を受けることの必要がなくなった場合には、所轄税務署長に申請しその承認を受けることにより、災害等の生じた日の属する課税期間から簡易課税制度の適用を受けること、又は適用をやめることができます(災害によって事務処理能力が低下したため、一般課税から簡易課税への変更が必要になった場合や、棚卸資産その他業務用の資産に相当な損害を受け、緊急な設備投資を行うため、簡易課税から一般課税への変更が必要になった場合などに適用されます)。

簡易課税制度とは、課税売上高が5,000万円以下の中小事業者の事務負担の軽減を目的として、
届出を行った事業者に対し、簡易的な税額の計算を認めるという制度です。

本来は事業開始年度の前に税務署に届け出る必要があるのですが、
今回の台風で「精緻な計算をしている余裕がない!」ですとか、
現状は簡易課税を選択しているけど「原則的な方法に沿った方が消費税が有利になる」
というような場合に例外的にやむを得ないので現状と異なる方法を採用しても良いというものです。

簡易課税については、また日を改めて解説しようと思います(^^♪

最後に

税金をしっかり払うということは重要なことではありますが、
まずは被災された方々が安全安心の生活を送れるよう、
その復旧作業を行うべきですよね。

家が流されたのに税金の計算や納付をやっている場合ではないわけです。

制度をご存じでない方も多くいらっしゃると思いますし、
台風で被害を受けて、多額の復旧費用かかってしまいます。

少しでも損失を軽減できるように、一人でも多くの人に知れ渡るように拡散して頂けると幸いです!

 

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